アコースティックギターやエレキギターは1本だけ持つのが良いのか?それとも複数本持った方が良いのか?気になる方も居ると思います。
結論から言うと「ギターは1本でOK」です。
その理由や、1本持ちと複数持ちのメリット・デメリットについて書いていきます。
ギターは1本に絞った方が成長が早い
音楽人生を共にする相棒を1本選んでそのギターと共に成長していくのが1番オススメです。その方がギターは上手くなりやすいです。
まずギターというのは機種によって、ボディーサイズ・ネック幅・弦高・弦の太さや硬さ・重量などが違うので、弾き心地がかなり変わります。
複数のギターを使いこなすには、この違いをちゃんと理解して使い分ける必要があります。当然、ある程度のギタースキルと知識が必要になってきます。
やっぱりどうしても弾きにくく感じるギターはあるし、そういう機種を自分に合うように調整しなければいけません。
ハッキリ言って複数本持ちは面倒です。
そこまでしてギターを複数持つメリットは無いので、無理に買う必要は無いと私は思います。
複数のギターを使いこなす人も居れば、メイン機種1本で勝負しているアーティストも居るんです。
ギターは「自分にとって複数本持つ明確な理由」が無い限り1本だけで十分なのです。
ギターと言うものは非常に繊細な指使いが必要になってきます。
機種を変えるとそれに合わせた弦の押さえ方と弾き方を体に覚えさせなければいけません。
つまり複数のギターを使いこなせるようになるには、より多くの練習量が必要になります。
正直コスパはあまり良くないです。人は使える時間も限られているので1本のギターを極めた方が良いと思いますね。
ギターを複数持つメリットは使い分けが出来る事
例えば「音色の違いによってギターを使い分けて演奏する事」が可能になります。
ギターは素材やメーカーによって微妙に音色が変わってくるのです。これらを曲ごとに違うギターで引き分ける事が出来ます。
曲の雰囲気やメロディーなどにこだわりがあるアーティストは「この曲はこのギターの方が合っている」と言って使うギターを変えていますね。
ギターには「上品で優等生な音」「豪快で枯れている音」「高音が綺麗」「低音の響きが良い」などとそれぞれに違いがありますからね。
しかし「そこまでして使い分けるメリットが大きいか?」と言われれば正直微妙です。ギターは音色こそ違えど、チューニングが同じなら出る音は基本的に一緒です。
聞いている側からすると、よほどのギターマニアでもない限り音の違いはあまり分からないです。
「この曲は絶対にこのギターの音が良い!」なんて事も無いですからね。
他のギターを使っても曲としては十分に成り立つし、ギター1本で全ての曲を弾いてもなんら問題ないのです。
ライブではチューニングごとに使い分けしている人も居る
ギターを数本持っていき「レギュラーチューニング」「ドロップDチューニング」「DADGADチューニング」などと設定を分けておいて、曲ごとに使い分けます。
これを1本のギターでやろうとすると曲ごとにチューニングを変えなければいけないので大変なんですよね。
ギターを使い分けているアーティストは、色々なチューニングのギターをライブに持ってきている事が多いです。
しかしこれには解決策があります。そもそも作曲する時に変則的なチューニングのギターを使わなければ良いのです。
レギュラーチューニングで全ての曲を作れば、わざわざ違うチューニングを設定したギターを用意する必要が無いのです。
一応念のための予備としてギターを持っておく
万が一壊れてしまったり、ライブで突然弦が切れてしまったりした時などに予備として別のギターを持っておくとトラブルにも即座に対応できます。
しかしそう簡単にトラブルは起きないの、心配しなくても良いと思います。
もし予備としてギターをもう一本持っておくなら同じメーカーの同じ機種が1番良いです。別の機種だと使い心地が大きく変わってしまいます。
ギターを複数持つメリットは上で紹介したものと合わせて大きく3つです。
「音色で使い分ける」「チューニングで使い分ける」「予備として持っておく」これらのメリットが特に要らないと感じるならギターを複数台持つ意味は無いと考えて良いでしょう。
ギターを複数台持つデメリットはメンテナンスと保管が面倒な事
ギターは長く使っていくためには保管とメンテナンスがとても重要です。自然の木材で出来ているのでメンテが甘いと楽器本来の良さを出せないのです。
複数台持つとなるとそれら全てをダメにならないように大切に扱ってあげる必要があります。手間もお金もかかります。
しかもギターと言うのはちゃんと弾いてあげる事が大切だったりするんです。保管しておくだけでは無くちゃんと音を出すことで楽器としての良さを保てるのです。
あまり多くの本数を持ちすぎるとこれら全てを管理して良い状態をキープするのがかなり大変です。
なので私はギター1本お気に入りを見つけてそれを大切に育てていくのが良いと思っています。
多くても2本ですね。これくらいならちゃんとメンテも出来るし弾いてあげれますよ。
ギターは場所を取るので邪魔になりやすい
複数のギターを家に保管するとなると、だいぶスペースを取ります。
ギターケースにしまうか、スタンドやフックにかけるかして置いておくのが一般的ですが、部屋に空きスペースが少ないとギター1台ですら圧迫感あります。
なので「使わなくなったギター」を売る人は結構多いです。例えば最初に買った初心者向けのエントリーモデルは、高級ギターを手にしたら基本的には要らなくなるので売ってしまって良いんです。
思い出として取っておく人も居ますけどね。
私は新しく乗り換える機種を買って、前に使っていたギターを全然使わなくなったら迷わず売りますね。
楽器としても沢山弾いてもらえる人に持ってもらう方が良いと思っているので売却しています。
ギターを売る際は楽器店よりも、メルカリなどのフリマサービスは結構高めに売れる傾向にあります。
複数台ギターを持っている人は単にコレクターである場合が多い
単に「良いギターを所有していることで満足感を得る」という方は結構多いです。
やっぱりギターをやっている身だとカッコよくて良い機種は欲しくなりますからね。憧れの1台を手に入れることで物欲を満たしているのです。
しかし、こういったギターコレクションはメンテナンスをたまにする程度で、多くのギターはほとんど弾かないことが多いでしょう。
結局メインの1番弾きやすいギターを手に取ってしまっていることが多いです。
ギターは楽器の中でもトップクラスにビジュアルが良いので集めたくなりますよね。もし欲しい楽器があるなら買っても良いと思います。
特にメリットは無いし保管は大変だけど、趣味として憧れのギターを買う価値はあると思います。人生一度きりですからね。
部屋にギターがいっぱい飾ってあったら音楽家っぽくてカッコいいですよね。ギターはインテリアとしても活躍するオシャレアイテムです。
ギターは将来的に価値が上がるのか?
よく言われるのは「ヴィンテージ」ですよね。昔のギターは乾いた音がしてカッコいいと評判です。
高級モデルのヴィンテージものは数十万~数百万で取引されます。メンテが行き届いている状態の良いヴィンテージモデルなら購入価格よりも高くなる可能性があります。
ヴィンテージが好きなギタリストは結構います。
今新品で高級ギターを買ったとしたら自分が年老いた時には希少価値のあるギターに変わっているかもしれません。
一種の資産ですね。ただ、せっかく長い時間をかけて育ててきた、自分にとって世界に1つだけのギターはあまり売らないほうが良いと思います。
1本のギターと一緒に成長していくドラマが良い
私はギターを猛練習した結果として付いた「ボディーの傷」が好きです。これは新品ピカピカのギターには無い渋い魅力です。
ギターは上達するためにかなりの練習量をこなします。「一緒に育っていた傷だらけの相棒」はどんな高級ギターよりも魅力があると思います。
「心に決めた1本のギターと音楽人生を共にする」という考え方が好きなので、私はギターの複数持ちはあまりオススメしていないです。
それにギターは沢山弾きこむことによって音が洗練されて本来の性能を発揮します。高いギターだろうとちゃんと沢山弾いてあげないと宝の持ち腐れになってしまいます。
正直な話、高いギターでもあんまり弾きこまれていないピカピカのギターってあんまり魅力を感じないんですよね。
良い方は悪いですが「お金を持っている人が所有欲を満たすためだけに買ってる」という印象を受けます。何の機種を買おうと個人の自由ですが、やはり弾きこんであげないともったいなさを感じます。
1人で多くのギターを弾きこむのは無理です。複数本所有して。それぞれを育てていっても結局は全部が中途半端になって真価を発揮できないのです。
ギター以外にお金をかけるべき所は無いか考えてみる
音楽はギター以外にもお金がかかるものです。例えばレコーディングするためのパソコン・DAWソフト・マイク・オーディオインターフェース・防音設備など。
ライブをやったりグッズやCDを作るのにもお金がかかります。
リリースした楽曲を宣伝するために広告費を出すこともあるでしょう。
練習するために室内が広めの車を買ったら練習がはかどります。アーティスト活動をするなら服装もオシャレにする必要があるので洋服を買うお金も必要です。
また、将来に向けた貯金もする必要があると言えるでしょう。
このように音楽活動においてお金をかけるべきポイントは沢山あります。ギターと言うのは良いものだと20~40万円ほどかかります。
超高級モデル、例えば「Martin D-45」は145万円もします。
それだけのお金があれば色々な使い道があるので今一度「ギター以外にお金をかけるべき所は無いか?」と言う事を考えて見ましょう。
まだギターの技術が十分に身についていないなら、教則本を買ったり音楽教室に通ったりギタリストのオンラインレッスンを受けたりすることも重要です。
新しいギターを手に入れて楽しいの数日だけ?
もし「今使っているギターに飽きたから新しいモデル欲しいな」と思って楽器店のオンラインサイトを漁っているなら、1つ注意があります。
新品の高いギターを買った時は当然ワクワクするし弾いていて楽しいです。きっと「買ってよかった」と思う事でしょう。
しかし数日、数か月たってくると新鮮な気持ちは薄れてきます。これは慣れによるものですね。最初ほどのワクワクや二やついてしまうほどの嬉しさは消えていくんです。
これは新しく別のモデルを買い足して複数本所持した時も同じです。最初はめちゃくちゃ嬉しいですが徐々にその新鮮さも無くなってきます。
次第には邪魔に感じてくるようになってきます。買う前は凄いキラキラして見えたのにいざ手にしてしまうと憧れは少しづつ無くなっていくのです。
ギターが欲しい気持ちは分かりますが今一度考え直してみたほうが良いかもしれません。本当に買って後悔しないかを検討してみましょう。
今所有している相棒を大切にした方が結果的には幸せになれる可能性も十分高いです。
不思議な事にギター1本だと愛着が湧いてくる
自分が選んだ最高の1本のギターだけを持っていると、最初のワクワクが消えた後は愛着が残ります。そのギターだけを好きで入れるから気が楽なんです。
何かこう「このギターと生きていく」という覚悟が決まるんですよね。気持ちがフラフラしないので練習にも身が入ります。
人にはキャパシティーがあるので、複数本のギターに愛情を注ぐのって疲れるし面倒たと感じてしまうものです。
「この前買ったあのギター弾いてあげなきゃ」「あのギターメンテしなきゃ」とやるべきことが増えてしまうと頭の中がパンクして嫌になるんですよね。
特に仕事やプライベートが忙しい人ほどギターは1本に絞った方が良いと私は思います。