アコースティックギターの凹んだ部分「カッタウェイ」は必要なのか

アコギのカッタウェイの場所 ギター
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アコースティックギターにはボディーの一部が凹んだタイプのものがあります。このくぼみは通称「カッタウェイ」と呼ばれています。

えぐれたような形状はエレキギターのようなビジュアルをしています。このカッタウェイがあるモデルのアコースティックギターを使用している人は結構見かけますね。

それで、実際このアコギのカッタウェイは、あった方が良いのか?無いほうが良いのか?と言う事ですが…

結論から言えば「必要ない」です。

上級者や有名なアーティストでも、このカッタウェイを有効的に使っている人はごく僅かなので、そこまで必要なモノでは無いのです。

なので見た目で気に入った方を選んで問題ありません。ちなみに私は、カッタウェイが無いアコースティックギターの方が好みですね。

では、アコースティックギターにおけるカッタウェイの役割、メリット・デメリットについて解説していきます。ぜひアコギを購入する際に参考にしてみて下さい。

カッタウェイはハイフレットを押さえやすくする役割がある

アコギのハイポジションの場所

カッタウェイという「くぼみ」があるおかげで12~20フレット辺り(ハイポジション)の弦を押さえやすくなるので、高い音を出す演奏がやりやすくなります。

ハイポジションをたくさん使うスタイルのにとってはカッタウェイは重宝されます。

しかし、アコースティックギターでここまで高い音を使って演奏する人は実はあまりいません。

アコースティックギターを買う人のほとんどは弾き語りをやる事でしょう。弾き語りはローコードを使う事がほとんどなので、12フレット以上の音はまず使わないのです。

既存の曲をカバーして弾くにも、オリジナル曲を作るにも基本的に「カッタウェイが必要になる場面は無い」と考えてもらってOKです。

アコギでハイポジションを使うのは、一部のマニアックなソロギタリストか元々エレキギターを弾いていた人達ですね。

アコースティックギターの「カッタウェイ」は、元々エレキギターを弾いていた人に向けて作られるようになりました。

アコギのカッタウェイ搭載モデルが「エレアコ(エレクトリックアコースティックギター)」に多い理由はココにあります。

エレキギターを使う人はハイポジションを使って演奏する人が多かったため、そういった要望に応える形でアコギのカッタウェイモデルが流通するようになりました。

なので、アコースティックギターのヴィンテージモデル(古い年代のギター)はカッタウェイ無しの物がほとんどです。

元々アコギにはカッタウェイが無かったのです。

だから、アコースティックギターにカッタウェイがあってもその効果をほとんど実感できません。

一部の「カッタウェイがどうしても欲しい」と思っているギタリストにしかほぼ意味は無いんです。

カッタウェイのないギターでもスキルがあればハイポジションは弾ける

カッタウェイの無いモデルでも、ハイポジションが弾けない訳ではありません。

弾きにくいですが、ギタースキルがある人や慣れている人はカッタウェイが無くても難なく演奏します。

むしろ個人的には「カッタウェイの無いアコースティックギターでハイポジションを使った演奏が出来るギタリスト」の方がカッコよく感じますね。

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カッタウェイの有無は見た目が気に入った方を選んで良い

「カッタウェイがあるギターの方がカッコイイ!」と思うならそのモデルを買っていいです。

結局はそのギターに愛着がわくかどうかの方が大切です。自分がイケていると思ったギターが1番カッコいいですからね。

ちなみにですが私はカッタウェイが無い普通のアコースティックギターの方が好きだしカッコいいと思っています。ボディーの形が綺麗なんですよね。

ヴィンテージギターのような古き渋さを感じるところもあります。

ギターは性能だけでなく「見た目がオシャレかどうか?」という部分も非常に大切だと私は考えています。

自分だけの最高の相棒を見つけてみて下さい。ちなみにですがギターを選ぶ際はネットの写真や動画だけでなく、ギターショップなどに行って実物を見た方が良いです。オーラが全然違いますからね。

なので感覚的に「このギターだ!」と思う機種に出会える可能性が上がります。自分の直感は結構信じて良いですよ。

カッタウェイはメーカーによって形状が違う

カッタウェイにも色々な形があります。メーカーによってカッタウェイの削り方が違うので自分のお気に入りのアコギを見つけてみましょう。

また、同じメーカーでもギターの機種によって形状を変えている場合もあります。

個人的には「K.Yairi」という日本メーカーが作るアコースティックギターがカッコいいと思います。価格は高いですが、シャープに削られたカッタウェイ(ポインテッドカッタウェイと言う)は見た目がすっきりしていて綺麗です。

逆に私は丸っこいカッタウェイ(ラウンデッドカッタウェイと言う)があまり好きでは無いです。柔らかくて優しい印象を受けますが、何かこう、コブみたいでカッコよさが足りないと感じます。

カッタウェイの形状は基本的に形状による性能の違いはほぼありません。厳密に言えば音の聞こえ方が変わったりしますが、聞いている人にわかるレベルでは無いので気にする必要は無いでしょう。

目をつぶって「どっちがカッタウェイモデルのギターの音でしょう」と言う問題を出されてもほとんどの人は分からないですからね。

色々なメーカーの機種を見比べてみて、自分の中でカッコいいと思えるギターの形状を見つけてみると良いと思います。

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カッタウェイの有無で音は変わる?

カッタウェイがあるとボディーの一部が削れてることになるので、厳密には少し音が小さくなります。

アコギはボディーが大きいほど生音は大きく、ボディーが小さいほどに生音も小さくなります。(ただしエレアコのようなアンプに繋いで音を出す際はほぼ関係無いです)

カッタウェイでボディーの一部を削っているという事は、その分だけ音量が下がって聞こえるという事です。

しかしそれが耳で判別できるかと言うとそうではないです。本当に微々たる差なので全然わからないですよ。プロですらほとんど分かりません。

音色が変化するか?と言う事についてですが、これに関しても厳密に言えば変わります。

ギターのボディーの形状は音色にも影響するので、カッタウェイの有無でサウンドが若干変わります。

しかしアコースティックギターは自然の素材を使って職人さんが手作りしているので、同じ音色のアコースティックギターはそもそも無いのです。同じ機種の同じ型でも音は変わってくるんです。

なのでギターの音色の違いが「カッタウェイによるものか」と言われると、それを判別することは難しいんですよね。

ただしカッタウェイの有無は音色の変化に関係ある1つの要因であることは確かです。カッタウェイ+その他の要因でアコギの音色は決まってきます。

アコギの音色が気になる方は実際に色々な楽器店に行って、試奏させてもらうのが一番良いです。

実際に弾いてみて「この音だ!」としっくり来たギターを買うのがオススメです。

カッタウェイがあるおかげで結果的にバランスが取れて自分好みの音色になる場合もあるし、逆もまたしかりです。

アコギの音色は材質や木材の状態、ボディーの大きさから様々な要因が絡んで結果としてその音になりますからね。結局はトータルバランスが大切なのです。

ちなみに初心者の方は音色は別に気にしなくても大丈夫です。ほんとに微々たる差なので。音色で機種を選ぶのは上達して自分の音楽スタイルが確立してからでOKです。

最近のアコースティックギターは安価な初心者モデルでもかなり良い音が出ますからね。

悪い音だなと感じるギターはまず無いです。よっぽど安く雑に作られたギターか、ボディーが割れていたり、弦がかなりサビていたりとかそれくらいの症状がないと、悪い音には聞こえないですね。

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カッタウェイがあるアコギは価格が高め

カッタウェイは特殊な形状ゆえに、通常のボディーよりも生産過程が増えて手間がかかります。そのため価格が少し高くなる傾向があります。大体の目安で5~10%くらい値上がりしますね。

そしてカッタウェイ搭載モデルはエレアコである場合が多いです。そしてこのエレアコはピックアップなどの機械類が搭載されているので、普通の生アコギよりも高いんです。

ギターの購入にあまりお金のかけたくない方は、カッタウェイの無いモデルを基準にしてアコギを探すと良いものが見つかるでしょう。

また、ギターブランドによって「カッタウェイもモデルが多いところ(例:Taylor)」もあれば「カッタウェイ無しのモデルが多いところ(例:Martin)」がありますね。

将来的にアコギは買い替えるので最初はどんなモデルを買っても大丈夫

初心者の方は今買ったアコギを一生使うわけではありません。アコギにも寿命があるし(修理は可能ですが)音楽にハマると、そのうち新しいハイエンドモデルのアコギが欲しくなるものです。

その時には自分の音楽スタイルが確立されていると思うので「自分の欲しいアコギ」が明確に分かってくると思います。

恐らく多くの人は「カッタウェイ別に要らないな」という結論に至るはずです。私も実際そうでしたから。

最初に買うアコギは、練習用として使い潰して「自分のスキルを上げる」と言う風に考えておくと良いですね。

なので初心者モデルを買う時はカッタウェイはあっても無くてもどちらでも良いです。(厳密には、カッタウェイが搭載されているモデルの方が”音楽の表現の幅が少し広くなる”ので色々な音楽スタイルを試せるというメリットはあります)

ちなみに、安すぎるアコギ(1万以下)の場合は音色以前に弾きにくい場合が多いので買わないほうが良いでしょう。大体3~5万円のギターなら良いものがそろっていますね。

アコギのカッタウェイは壊れやすい?

カッタウェイがあるとボディーに細く尖る部分があるので剛性が若干落ちます。普通に使っていれば大丈夫ですが、取り扱いには注意する必要があります。

カッタウェイの部分は剛性が比較的低めなので、それは知っておきましょう。

アコギは繊細な楽器です。どこかにぶつけてボディーが割れたりヒビが入ったりすると、音色が変わってしまうので気を付けましょう。

また、ギターには「スラム奏法」と言うアコギを叩いてパーカッションのようにして弾く奏法もあります。しかし、これはアコギが壊れやすいのであまりオススメはしないです。カッコ良いんですけどね。

特にカッタウェイの部分を叩いて音を出す事は止めた方が良いです。それをずっとやっていると冗談抜きでギターが壊れます。

例えば、海外には「Tobias Rauscher」「Marcin」というソロギターのアーティストが居ます。アコギを叩いてリズムを取るカッコいい奏法で音楽を奏でますが、これはギターに対して相当な負担がかかっているのです。

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生アコギを買うならカッタウェイが無いほうが良い

ピックアップやプリアンプなどの機械が一切搭載されていない、昔からの”ベーシックなアコースティックギター”を買いたいならカッタウェイが無いほうがカッコいいと私は思います。

生アコギは、生音が重要なので少しでも大きな音が出る「カッタウェイ無しのモデル」の方が良いんですよね。

あとはシンプルに「生アコギはカッタウェイ無しの方が”上質な本物感”がある」のでカッコいいんですよね。

現代ではライブなどでアンプを使って音を出すことがほとんどです。それ故に生アコギを欲しいと思う人は減ってきていますが、やっぱり私はアコースティックギターは生音こそが楽器の本来の姿であり一番の魅力だと思っています。

ピックアップや録音でデジタル化した音楽には無いアコギ本来の音色の暖かさがあります。

なので私は生アコギ(普通のアコースティックギター)を買うときはカッタウェイは無しで、エレアコならカッタウェイ有りを買うという事をオススメしますね。

「カッタウェイがある=エレアコ」は間違い

カッタウェイがついているモデルはエレアコに多いですがたまに「エレアコ=カッタウェイがついている」と勘違いしている人が居ます。私は最初そう思っていました。

しかし世の中には「カッタウェイが無いエレアコ」や「カッタウェイがある生アコギ」も両方あります。なのでカッタウェイの有無でエレアコかどうかを判断しない事が大切です。

「エレアコだと思って買ったら生アコギだった」なんてことにならないように気を付けましょう。ぱっと見(特にネットの画像)だけではエレアコか生アコギの判断はしにくいですからね。

エレアコがボディーの側面につまみがついているのでそれで分かります。ピックアップや配線は内蔵されている事が多いので外から見ただけでは分からないんですよね。

後は、商品の詳細のところにエレアコか否かか、ピックアップがあるかについて書いてあるのでちゃんと確認しておきましょう。

分からない際はギターショップの店員さんに聞いてみたり、ネットでお店に問い合わせてみるのが確実ですね。

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有名アーティストはカッタウェイがあるギターを使う事が多い?

現代で活躍する有名アーティストの方たちは、カッタウェイがあるアコースティックギターを使用している事も結構多いです。

理由としては「ライブで使いやすい”エレアコ”を使う事が多いから」です。

ライブをする際は基本的にアンプ等に繋いで音を大きくする必要あります。生のアコギの音では音量に限界がありますからね。

エレアコには”ピックアップ”という機械が元々搭載されており、これをシールド(ケーブルみたいなもの)でアンプに繋いで音を増幅させます。

そしてエレアコには「カッタウェイがある機種が多い」という特徴があります。

有名アーティストは基本的にライブの事を考えてギターを選びます。ほとんどの人がエレアコを使うので、結果的にカッタウェイがあるギターを持っている人が多く感じるのです。

しかし、カッタウェイがあるアコギを持っているアーティストでも「演奏でハイポジションを全く使用しない事」は良くあります。せっかくあるカッタウェイも実際はほとんど有効的に使わないというアーティストは多いのです。

ソロギターをやるならカッタウェイのあるアコースティックギターを買った方が良い

歌う事はせず、ギターの音色だけで音楽を奏でる「ソロギター」をやりたい方は、カッタウェイがあるギターを買った方が良いでしょう。

ソロギターは楽器の音だけで音楽を表現するので、演奏の幅は広い方が良いです。

演奏のテクニックもかなり繊細です。ハイポジションを使った素早い演奏をする事も多く、カッタウェイが無いと結構難しい時もあります。

また、技術や奏法をエレキギターから流用することも結構あります。エレキギターはカッタウェイがある事が前提の演奏が多いので、カッタウェイがないと不便に感じる事もあるでしょう。

「ギターをこれから始めたいと思っているけど、弾き語りをやるかソロギターをやるか悩んでいる」という方は、カッタウェイがあるアコギを買っておくとどちらの道でも使えるのでオススメです。

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