近年ボーカロイドは世間に広く認知されるようになり、特に若い世代を中心に人気を誇っています。
その背景としては「歌い手や配信者」と言った活動者の”歌ってみた”がかなりの人気を得ている事が挙げられます。
今後ともボカロ曲と言うジャンルは廃れずに人気であるでしょう。
さてその原曲を作る”ボカロP”ですが、どのようにして人気を得れば良いのか?その部分について解説していきます。
ボカロ曲は10代後半の中高生に刺さる曲を作ろう
ボカロ曲は10~20代の若い世代を中心に人気を集めています。特に学生からの指示がアツいので作曲をする際は、若い人に刺さる無いようにするのが王道です。
そしてどちらかと言えば「インドア派」で「アニメ好き」で「ネットに依存している」内気な人の割合が多いです。
売れる曲を作るには万人ウケは必須ですが、それを意識しつつボカロ好きなコアなファン層に支持される音楽を作っていく事が重要です。
売れないボカロPは自分の価値観で曲を作ってしまう
「アーティストは自分を音楽で表現する芸術家」と言ったイメージがありますが、近年はどちらかと言うとエンタメ色が強くなってきています。
若い世代に楽しんでもらえる音楽を作っていく覚悟が無いと売れないのです。
ヒットしているボカロ曲はどれも若い世代の価値観に刺さるワードやテーマを選んでいます。そうしないと全然再生されないしカバーもされないんですよね。
特に無名でこれから地名度を上げていきたいボカロPほど、聞き手や歌い手に寄り添った曲で勝負していく事が重要です。
ボカロ曲の「売れるテーマ」を理解することは重要
作曲をする際は若い世代のボカロリスナーに合わせて作曲する必要があります。
その際には「人気のテーマ」をちゃんと選ぶ事が重要になってきます。
ここの「テーマ選択」を間違えてしまうと、その後どれだけ頑張って良い曲を作っても上手くバズらないのです。
テーマ選びは曲の大まかな構成を決める重要なポイントです。適当に「こういう曲にしよう!」と決めるよりは、ちゃんと売れる要素を練った方が良いです。
ではボカロ曲で売れるテーマをいくつか紹介していきましょう。
①恋愛
恋愛はどの音楽ジャンルでも人気のテーマです。これを選べば外すことは無いでしょう。
失恋や青春なんでもOKです。若い世代に目線を合わせたを恋愛の曲を作っていく事が大切です。
ちなみにですが「女性目線」で作曲した方が売れやすいです。
②メンヘラ系のラブソング
ボカロ曲をよく聞くのは、日ごろからネットに入り浸っているオタクたちです。
そしてネットに生息する人たちは「重い愛」や「依存」するタイプの恋愛をしがちです。
そして自己肯定感が低く自信が無いので、メンヘラ化してしまう事が非常に多いです。
このメンヘラの心情をテーマに上手く作詞出来れば、若い世代にビシッと刺さる名曲が出来上がる事でしょう。
例として「香椎モイミ – キャットラビング」はかなり参考になる曲でしょう。実際にヒットして人気ソングとなりましたからね。
③憂鬱や病み
ボカロ曲が好きな層は「病みがち」な性格の人が多いです。
「悲劇のヒロイン」「報われない人生」「不幸であること」を一種のステータスとして感じている人が結構多いのです。
”ファッションメンヘラ”と言われたりしますね。
そんな「憂鬱や病み」をテーマにしたダークな曲も結構人気です。
自分も歌い手となってアイドル化すると売れやすくなる
長く人気を維持し続けるには「アイドル性」が必要になってきます。
人間味が無い無機質なボカロPは一曲バズったとしても、その後人気を維持し続けていく事が大変なのです。
”ボカロP”としてでは無く”曲の知名度だけ”が独り歩きしてしまうのです。
実質的な人気には繋がりにくく、周りから見ると一発屋になってしまっているボカロPも良くいます。
これからの時代は、作曲スキル+アーティストのようなアイドル性も必要になってきます。生き残っていくためには必要な戦略なのです。
一番手っ取り早い方法としては「自分も歌い手として活動する」と言う事です。
「ボカロP+歌い手」これなら人気は確実に出るし、それを長く維持し続ける事が可能になります。
歌い手として成功する方法はこちらの記事でも解説しています↓
ボカロPと歌い手を両立しよう
2つを両立するのは難しいし時間が足りないと感じる事が多いでしょう。
なので「やる事とやらない事」をちゃんと決めておくと良いでしょう。
まず「歌ってみた」はボカロ曲と同時か、数日経ってから公開すると良いでしょう。
レコーディングからMIX・マスタリングまで全部やりますが、ボカロPとして作曲しているならそこまで大変では無いでしょう。
歌唱力をある程度鍛える必要はありますが、歌い手界隈の歌唱レベルはそこまで高くないので自信を持ってリリースしていきましょう。
歌い手としての活動は幅広いですが、その中でも「やらない事」を決めていきましょう。
①自撮り写真などをSNSに上げる(顔は隠してもOK)
②YouTube・ツイキャスなどでライブ配信をやる
③現地ライブ・箱ライブをやる
④ファンクラブを運営する(YouTubeメンバーシップなど)
⑤グッズ販売をする
などなど。個人的には①と③はやらなくて良いと考えています。ボカロPや歌い手は完全二次元でなりきるタイプでも売れますからね。
しかしその際は②のライブ配信には割と力を入れてやっていった方が良いでしょう。ファンと歌い手をリアルタイムで繋いでくれるので固定ファンを掴むキッカケになりやすいです。
④のファンクラブはYouTubeメンバーシップなどで月額980円ほどを目安に運営すると良いでしょう。内容は限定スタンプやVlogを作成するのがオススメですね。
⑤は比較的簡単なのでやる価値はあります。歌い手・ボカロ界隈は購買力が高いので結構買ってくれますよ。
TikTokとYouTubeショートを上手く使うボカロPは伸びる
現代のアーティストにとってTikTokとYouTubeショートは「チャンスを掴むことが出来る場所」なんですよね。
ここに力を入れているボカロPはベテランだろうと新規だろうと売れます。
ボカロPとして売れるためには流行を上手く掴んでいく事が重要です。こういった縦型動画のブームにもちゃんと適応出来ないと置いていかれてしまうのです。
自分のリリースしたオリジナル曲をTikTokやYouTubeショートで音源として使ってもらえれば、自分で宣伝しなくても勝手にバズってくれるんですよね。
上手くいけば1000万回以上再生されるヒット曲になります。
何が凄いかって、全くの無名のボカロPでもヒット曲を生み出せることなんですよね。
TikTokでオリジナル曲をバズらせる方法はこちらの記事で詳しく解説しています↓
作曲したらSNSでの宣伝には力を入れていこう
売れないボカロPはやはり「宣伝」の面で少し弱い傾向にあります。
特にまだ知名度の無い時ほど、作曲以上に宣伝を頑張る必要があるのです。
「売れる曲が出来た!」と言う感覚が自分の中であるなら、ちゃんと宣伝すればある程度は売れます。
そこから先は割と運次第です。いわゆる「ブーム」になるほど曲がヒットするには、TikTokerなどに音源を使ってもらったり、有名な歌い手にカバーしてもらったりと二次的な宣伝効果が必要になります。
これは自分だけではどうしようも無いです。ただ「良いと思ってもらえる曲」を作れているなら誰かしらが、あなたのオリジナル曲をTikTokかYouTubeショートで使って動画を作ってくれるでしょう。
その動画がバズれば、そこから連鎖的に曲の知名度は上がっていきます。誰かの1つの動画をキッカケにブームは火が付くものなのです。
そしてこのブームの火付け役は自分でやる事も可能なのです。オリジナル曲を使って自分で動画をたくさん作って投稿すれば、バズはどこかで起こります。
作曲してそれを「meme的に広める」と言うやり方は海外のアーティストもやっている戦略なのです。
意図してブームを起こすことが出来るならば、有名ボカロPになるのも夢ではありません。
「良い曲を作る」と「ブームを起こす宣伝をする」この2つを突き詰めれば有名ボカロPになることは可能です。意外と知られていないですが、有名になったボカロPはちゃんと宣伝に力を入れている事が多いです。
ボカロPは一発目を当てるのが一番大変
ボカロPを目指した人は誰しも「最初の人気曲」を当てる事に苦労します。
知名度がゼロの状態なので有名人補正で再生されることも無いし、誰も聞いてくれない状態なので挫折しそうになると思います。
逆に言えば、一曲ヒットさせることが出来れば固定ファンが付くので二曲目もバズりやすくなります。
この繰り返しで徐々に知名度が上がっていきます。ここで重要なのはクオリティーの高い曲をリリースし続けると言う事です。
ボカロPとしての人気を維持し続けるコツは、ヒットした曲の世界観に合わせて次の曲も作成していく事です。
ヒットした曲で付いたファンと言うのは「そのヒットした曲が好きでチャンネル登録やフォローをした」と言う背景があります。
つまり次のリリース曲もヒット曲に似た世界観の曲だと聞いてもらいやすいし”歌ってみた”も投稿してもらいやすくなります。
上手くいかないボカロPの特徴としては「作曲のバリエーション」を意識して全く違う世界感の曲を作り迷走してしまう事です。
「ヒットした曲と関連性のありそうな曲」を次に作っていく事が重要です。
人気ボカロのYouTubeチャンネルを見ていると、やはりリリース曲の雰囲気が統一されている印象がありますね。
しかしこの”統一感”を意識する際に注意するのは「マンネリ化しない事」です。これが非常に難しいポイントです。
似たような世界観の曲は、段々飽きが来てしまいます。映画の同じシリーズの2作目3作目の評価があまり高くないと言った感じに似ています。
しかし世界観を維持しつつ、新しさと共感性のある新曲をリリースし続けられるボカロPは確実に伸び続けるでしょう。
ボカロPは楽器が弾けなくても売れる曲を作れるのか?
ボカロPは基本的に打ち込みで楽曲を作ることが多いです。
人によっては生の楽器の音をレコーディングする場合もありますが、これはかなり大変だしお金がかかります。
楽器が上手く弾ける人を探すか、自分で弾くしかありません。
しかし楽器と言うのはちゃんと聞ける音を出せるようになるのが結構大変です。なので楽器の経験が無いとかなり厳しいんです。
ボカロPは楽器が弾けなくても売れる曲は作れます。しかし「音楽の勉強」は結構した方が良いですね。
知識があった方が曲を簡単に作れるし、打ち込みのスキルを極めれば楽器を弾けなくても良い曲は作れますからね。
各楽器の役割や使い方を理解して、楽曲の構成の仕方が頭の中で理解できていれば問題ないです。
今ではYouTubeに打ち込み音楽の作り方を解説している動画が沢山あるので、片っ端から見て勉強していきましょう。
ボカロは小室進行と呼ばれる6451進行を使うと神曲が出来る
テンポが速いボーカロイド曲と、非常に相性が良いコード進行は「小室進行」です。
例えば、Dメジャーキーなら「Bm→G→A→D」のコード進行ですね。
・千本桜 – 黒うさP
・天ノ弱 – 164
・ラビットホール – DECO*27
・オーバーライド – 吉田夜世
これらのヒット曲はサビで小室進行が採用されています。頭に残りやすく覚えやすい、癖になって何度も聞いてしまう”神曲”を作りたいなら真似していくべきでしょう。
昔から馴染のあるコード進行なので、日本人にとってはかなり聞きやすい曲に作り上げる事が出来ます。
アップテンポのボカロ曲を作っていて、もしサビのコード進行に悩んだら”小室進行”を採用してみると良いでしょう。そうすると神曲が出来上がるかもしれません。
考察系の意味深な曲もボカロ界隈では人気
例えば「メズマライザー – サツキ」や「きゅうくらりん – いよわ」という人気ボカロ曲(厳密にはボカロでは無いが)は、ポップな曲調にダークな闇落ち展開を折り交ぜ、歌詞やMVに意味深な考察ポイントを散りばめる事でバズりました。
ボカロのヒット曲を生み出すには「繰り返し聞かれるか?」が重要なので、考察系の意味深な曲は再生数も伸びやすい傾向にあります。
正直、オタクってこういう「考察系」が大好きなんですよね。アニメとかも良く見る人が多いし、ダークファンタジーな世界に惹かれる世代も多いので、かなり人気のコンテンツなのです。
これからボカロ曲を作る際は、少し謎めいた視聴者側に解釈や考察を委ねる様な曖昧な表現をしてみるのも良いと思いますよ。