世の中には様々な曲がリリースされていますが、中には似ている曲もあるものです。
あまりにも似ているフレーズがあれば「パクリじゃないのか?」と言われることもあります。
メジャーアーティストですらも良くあることですね。
しかしこの”曲のパクり”と言う言葉は、非常に曖昧で複雑なモノになっているので「本当にパクりなのかどうか?」と言う事はハッキリしていないのが現状です。
この記事では”音楽のパクり”について詳しく解説していきます。
曲の一部分だけが似ているだけならパクりでは無い
作曲をしていればどこかしら似ている部分はあるものです。洋楽・邦楽を合わせれば曲数は無限大です。
全ての曲と似ていない曲を意図的に作るのは不可能と言って良いでしょう。
なのでワンフレーズだけ似ていてもパクリとはならないので安心してください。
「そう言えばこの曲のAメロの最初の部分、あの曲に似ているよね」と時折話題にはなりますが、パクリ問題には発展しません。
なぜなら音楽リスナー側も「ある程度は何かの曲に似ていても仕方ない」と言う事を理解しているからです。
曲の大部分が似ている場合はパクリを疑われる
展開もメロディーもリズム感も全てが、何かしらの曲と似ていた場合”パクリ疑惑”をかけられることがあります。
しかしこれは意図的にパクっている可能性が高いでしょう。
普通に作曲していてそこまで何かの曲に似る事は少ないです。AメロBメロCメロサビが全て似ている聞き心地になることは、奇跡に近いと言えるでしょう。
作った曲を誰かに聞いてもらうとパクリ対策になる
自分のオリジナル曲はリリースする前に、誰かに聞いてもらうと良いでしょう。
自分の感覚では気が付くことが出来なかった部分を発見できる可能性があります。
また「この曲何かの曲に似ているかな?」とその人に聞いてみましょう。「いや、特に思い当たらないな」と言われたらその曲はパクリ要素が少ないと言えるでしょう。
何人かに聞いてみて、大丈夫そうだった場合はそのままリリースして大丈夫でしょう。
またそのついでに「違和感のある部分があるか?」と言う事も聞いてみると良いでしょう。
拍子やリズムが狂っていたり、不協和音になっている場合や、スケールから音が外れている部分があるかもしれません。
自分では気づけなくても初見で聞いた人にはわかるポイントってあるんですよね。そしてこの部分は多くの大衆が同じように違和感を覚える部分になります。
そういった点を見つけると言う事において、この「人に聞いてもらう」という行為は重要なのです。
完成した曲を1週間ほど置いておくのもオススメ
作曲をしている時は同じ曲を何回も聞いているので、感覚がマヒしている事がよくあります。
なので一度完成した曲はしばらく聞かずに置いておくと言うのも大切なポイントです。
しばらく放置しておいて久しぶりに聞くと、新鮮な気持ちと感覚で曲と向き合えます。
なので作曲中には気づかなかった部分を見つける事が出来るでしょう。
「このパートなんか変だな」とか「この部分あの曲に似ているな」と言った所に気が付きます。
しばらく放置してから聞いても「この曲は良いな」と思えたなら、それは間違いなく名曲となるでしょう。
無意識での曲のパクりは許されるのか?
パクるつもりが無いのに作った曲が何かと似てしまう事はあります。
個人的には無意識で作曲して似てしまったのなら、それは仕方のない事だと思います。
人は今まで聞いてきた曲を自然に参考としてしまうものだし、世の中のどの曲とも似ていない作曲は難しいですからね。
「無意識だった」と言う事を証明することは結構難しかったりしますが、実は大抵の場合は許されていることが多いです。
なのであまり怯えず、自信を持って作曲していきましょう。
完コピレベルまでパクるには絶対に意識的にやらないと出来ないです。自分のオリジナリティーを追及して作っていけば「このアーティストはパクリだ!」と言われることは無いでしょう。
音楽理論を意識しすぎると似ている曲が出来てしまいがち
作曲にはセオリーが存在し、それは”音楽理論”と言われています。
理論に則って作曲することは”聞き心地の良い曲”を作る上では大切です。
しかし音楽理論を意識しすぎて自分のオリジナリティーを出さないと「何かに似た曲」が出来てしまうことがあるんですよね。
なので作曲は時に「セオリーを少し崩して作曲する」と言う事も大切なのです。ここはアーティストとしての実力が問われるポイントですね。
「王道+個性」を上手くバランスをとって新曲を作ることが売れるための秘訣と言えるでしょう。
コード進行で曲が似る事はよくある
作曲する際は「コード進行」を必ずと言って良いほど使いますが、その進行もいくつか確立されたセオリーが存在します。
「王道進行」や「丸サ進行」は有名ですよね。
日本人にウケが良い曲を作るときにはこういったコード進行を使う事が良いと言われています。
しかしこの有名なコード進行は多くの曲で使われているので「何かと雰囲気が似ている曲」が出来上がりやすくなります。
パクりだと言われたくないのであれば、コード進行をテンプレのまま使わないほうが良いかもしれませんね。
有名なコード進行を少し変えてみよう
テンプレートのコード進行を若干変えると言う事も個性を出す秘訣です。
オンコードを使ったり、間にセカンダリードミナントを加えたり、テンションコードを取り入れたりなど、少しの工夫でコード進行の雰囲気は割と変わります。
オリジナリティーも出るので、パクリとは言われにくくなるでしょう。それと同時に、アーティストとしての作曲スキルもアピールすることが出来るので一石二鳥です。
しかしこの時は「聴き心地を損なわない事」を忘れないでください。オリジナリティーを取り入れすぎると不協和音や、違和感のある展開になる場合もあるのです。
聞き心地が悪い場合はヒット曲になる可能性が低くなるので、改善が必要ですね。オリジナリティーと大衆ウケのバランスが重要です。
イントロが他の曲に似る事は結構ある
曲のイントロは結構似ている曲はありますね。テンプレのコード進行をアルペジオで弾いたりする場合は、何かのパクリっぽくなってしまう事もありますね。
アルペジオはバリエーションがあまり無いし、既に色々な曲で採用されている場合が多いですからね。
アコギで作曲する時は、特に注意した方が良いでしょう。
しかし音楽は結局、歌詞やメロディーを重視するのでイントロが多少似ていたところで「パクリだ!」と言われることはほとんど無いです。
どうしても気になるなら、アルペジオとカッティングを使い分けてメリハリを出したり、他の楽器の音やメロディーも加えてアレンジしてみると良いでしょう。
また近年はイントロが無い曲も増えて生きています。詳しくはこちらの記事で解説しているので気になる方は読んでみて下さい↓
有名曲のパクりじゃなくてもバレる?
誰でも知っているようなメジャーアーティストの曲をパクった場合、すぐにバレてしまい批判を受けるでしょう。
では「無名な曲ならパクってもバレないのか?」と言う事が気になるでしょう。これには条件があります。
パクりの元となった曲と、自分がリリースした曲の両方が有名でなかった場合は「パクリだ!」と騒がれることはあまり無いでしょう。
しかし、どちらかの曲の知名度が上がった場合パクリが発覚して批判を受ける可能性が高くなります。
実際。マイナーな曲パクリだと疑われて炎上したアーティストは居ますからね。今の時代はSNSですぐに拡散されるしバレる確率も高いので、不正をしても意外とバレてしまうのです。
アーティスト人生を棒に振る可能性もあるので「無名の曲だからパクってもバレないでしょ」と言う考え方は辞めたほうが良いですね。
無名でも、その曲やアーティストのファンの方が聞けば一発でバレると思いますよ。
一度「パクりアーティスト」と言われると売れなくなる
アーティストは「カッコ良くてオシャレで天才」と言うイメージがあり、それはとても大切なものです。
皆から憧れの眼差しで見られると言う事は、それだけ期待されていると言う事です。
こういったイメージや印象が重要な仕事であるアーティストは、ちょっとした不祥事などでファンが離れていってしまいます。
異性ファンも多い事から「失恋や幻滅に近い感情でファンを降りる」と言う人も居ますからね。夢や才能を売る仕事である以上、世間からの印象は芸能人やアイドル並みに重要なのです。
「明らかに悪質なパクリ」で一度でも炎上したアーティストは、その後再び人気アーティストとして活動していく事は難しいでしょう。
どれだけ音楽業界で活躍しても「でもこの人パクリで作曲している人だよね」と世間やアンチからはずっと言われ続けるし、それはファンからしても悲しいものです。
なのでパクリ問題に関してはかなりシビアに付き合っていく必要があります。
曲のパクリはアーティストにとって”一生消えない傷”であり、作品を世に送り出す芸術家としては一生の恥だと考えて良いでしょう。
他ジャンルの音楽を学ぶとパクりっぽい曲は出来にくくなる
例えばロックバンドをしている人は、色々なロックの曲を聴くとは思いますがそこから得られる情報やアイデアはバリエーションが少ないです。
オリジナリティーを出す上では「他ジャンルの音楽も学ぶ」と言う事が非常に大切です。
フォークソング、ジャズ、それ以外にも色々な音楽があるので普段自分が聞かないような曲も聞いてみると良いでしょう。
また、楽曲の構成についても詳しく調べてみると良いです。自分がメインでやっている音楽では見られないようなセオリーやアイデアが隠れています。
とある海外の有名アーティストは「長い年月をかけて開拓された音楽に新しい風を吹き込むには、全く違う進化を遂げた他ジャンルを学ぶ事だ」と言うニュアンスの発言をしていましたね。
色々な音楽ジャンルを学ぶ事で「作曲の引き出し」が増えるので、他のアーティストでは真似できないような個性を出すことも出来ます。
あまり王道から外れすぎると売れにくいですが、ちょっとした作曲のスパイスとして他ジャンルのセオリーを上手く取り入れていくと良いでしょう。