ギターをやっている人は誰しも一度「なんか弾いてよ」と言われる経験をするものです。
そんな時に「何も曲を弾けばウケるのか?」と悩みますよね。
選曲を間違えればギャラリーの反応は、何となくシラけてしまうでしょう。
それを避けるために「なんか弾いてよ」に対する適切な曲の選び方を教えます。
「なんか弾いてよ」と言われた時は”誰しもが知っている曲”を弾く事が答え
「なんか弾いてよ」という言葉は「俺・私の”知っている曲”を何か弾いてよ」という意味なのです。
本人には悪気は無いし、何気なく発言しているのですが、心の底では「何か自分が知っている曲弾いてくれるんだろうな~」と無意識に期待してしまっているのです。
なので知名度の高い人気曲をいくつか弾けるようになっておくと良いでしょう。
最近流行の曲をサラッと弾ければ良いのですが、ギターは人に聞かせられるようになるまでに時間が掛かるし大変ですよね。
そしてその曲の流行が過ぎると「時代遅れ感」が出てしまいます。そうならないために、常に最新の流行の曲を弾けるようにしておかなければいけません。これは結構キツいです。
なので”長年愛され続けて、これからも聞かれるであろう名曲”を弾けるようにしておくのがオススメですね。そうすればわざわざ新しい流行の曲を練習する必要も無くなりますからね。
「小さな恋の歌 – MONGOL800」「天体観測 – BUMP OF CHICKEN」「空も飛べるはず – スピッツ」「Stand By Me – Ben E. King」「ルパン三世のテーマ – 大野雄二」など、年代は古めですが多くの人が知っているのでオススメの曲です。
イントロやリフを弾くなら「おしゃかしゃま – RADWIMPS」「バンビーナ – 布袋寅泰」などがオススメです。勢いもある激しめのカッコいいリフなので盛り上がりやすいです。
弾く前に「○○って曲知ってる?」と確認する事
「なんか弾いてよ」と言われたときに、すぐに曲を弾き始めてはいけません。
「うーん、どうしようかな。天体観測って曲分かる?」と弾く前に確認を取りましょう。知っていると答えたらその曲を弾けば良いし、知らなかったら別の曲を提案してみて下さい。
有名曲でも聞く人が知っていないと、感動が薄いのです。逆に知っている曲を弾いた時は「おぉ~!」と良いリアクションを取ってくれるでしょう。
なので2~5曲くらい有名曲を弾けるようになっておくと良いでしょう。
曲はフルで覚える必要はありません。3~5分と長いですからね。
1代目のサビの終わりまで覚えておけば、それで十分なのです。1分30秒~2分くらいで終わるので、ちょっと披露する分にはちょうど良いでしょう。
もしくはイントロやリフが特徴的な有名曲なら、その部分だけの演奏だけでもOKです。20秒くらいで終わるので弾く方としても比較的楽です。
知らない曲を弾いても反応が薄く中途半端な感じになる
ギターで知らない曲を弾かれても、聞いている人は「何か良く分からないけど凄いね」という感じになります。
「凄いね」と褒めてくれるとは思いますが、内心は「何が凄いのかよく分からないけど、多分上手いんだろうな」くらいの感想しか出てこないのです。
ギャラリーは、自分が知っている曲のメロディーで「次に何の音がどのタイミングで来るかが予測でき、それがギターの演奏と上手くハマった時」に気持ち良さと感動を覚えるのです。
ギタリストに求められているのは「自分のギターテクの自慢」では無く「聴いている人が喜んでくれる曲を演奏する事」なのです。
音楽をやる以上、自分が楽しむことも大切ですが「聴いている人を楽しませる事」も大切です。これがプロ意識というものですね。
オリジナル曲を弾くのは「求められた時」で良い
自分が作曲したオリジナル曲を披露したくなる事もあるでしょう。音楽をやっている以上、自分の曲を聞いて感動してもらえるほど嬉しい事は無いですからね。
しかし「なんか弾いてよ」と言われたときに、オリジナル曲を披露するのはリスクが大きいです。
まず有名アーティストでもない限り、自分の曲は基本的に知られていないので、ギャラリーにとっては「始めて聞く曲」になります。
音楽には人それぞれ好みがあるし、自分のオリジナル曲がウケる可能性は割と低いのです。
なので最初は、既存の有名曲のカバーを聞かせるのがベターです。
その後にギャラリーに「オリジナル曲とかあるの?」と聞かれたら「あるよ」と答えて、もし相手が「え、聞きたい!」と言ってきたら、そこで始めてオリジナル曲を披露するのがオススメです。
その方がギャラリーも「今から自分は知らない曲を始めて聞く」という心の準備が出来るし「オリジナルを聞きたい」という気持ちがあるので、演奏のハードルが少し下がるのです。
「最初は有名曲で相手の心を掴み、オリジナル曲は求められたら披露する」というのが1番謙虚でカッコいいと私は思います。
ギターを披露する時は完成度が1番重要
ギタリストであれば「難しくてオシャレな演奏がカッコいい」という考えがある方も居るでしょう。私もその1人です。
しかし、人に披露する時は難易度よりも”完成度”の方が圧倒的に重要なのです。
カッコつけようとして難しい曲に挑戦し、未完成なぐちゃぐちゃな演奏をするのが1番ダサいです。
簡単な曲でも良いので丁寧に綺麗に演奏出来ている方が、聞いている側としても「凄い!」と思えるのです。
特に、ギターをやっていない人からすると曲の難易度なんて全く分からないですからね。
「①音が綺麗に出ている事」「②リズム感が正しい事」「③ミスをしない事」これらの完成度が高ければ、簡単な曲でもウケは良いのです。
ちなみにですが、みんなが知っている有名曲ほど”ミス”は目立ちやすいので注意してください。「あれ、ここの音出てないな」とギター素人の方にも意外とバレます。
難しい曲は完成までに時間がかかりすぎるのでコスパが悪い
「人に披露するための曲」をいくつか持っておきたい場合、なるべくなら習得が簡単な曲を選んだ方が良いでしょう。
理由は単純で、簡単な曲の方が練習にかける時間が少ないので、その分他の曲を練習したり作曲したり出来るのです。
極端な例ですが「Playing God – Polyphia」というインスト曲を人に披露できるレベルまでになるには、ギタリストですら数年はかかります。それくらいに難しい曲です。
逆に、シンプルなコード進行やリフを使用したポップスなら、ギターに慣れている人なら1~3か月くらいあれば習得出来るでしょう。
「なんか弾いてよ」と言われた時用に用意しておく曲は、なるべく時間をかけずに習得出来るものを選んだ方が楽です。
その方が自分の弾きたい曲や、オリジナル曲の練習に沢山の時間を使えますからね。
「BAD FEELING – BOØWY」は「何か弾いてよ」に対する万能曲
「色々な曲を覚えるのは大変だし1曲だけ披露する用に持っておきたい」と思う方にはBAD FEELINGがオススメです。ギタリストの方なら知っている方も多いでしょう。
邦ロックにおける「最高にカッコいいリフ」と言っても過言では無い曲なので、習得しておいて損は無いでしょう。
キレのあるカッティングが特徴のリフなので、初見でも「おお、カッコいい」というリアクションを貰いやすいです。
本来はエレキギターで弾く曲ですが、アコギで弾いてもカッコよくなるのでどちらで弾いてもOKです。
BAD FEELING を演奏する際に重要なのは「音のメリハリ」です。カッティングのキレと、音を切るところ伸ばすところをハッキリさせないと、フニャフニャした演奏になってしまうのでカッコよさが半減します。
リフ自体は意外とすぐ弾けるようになるのですが、カッコいい演奏をするためには結構練習が必要なのでそこだけは気を付けましょう。
ディズニー系の曲は万人ウケしやすくエンタメ要素もあるのでオススメ
ディズニーの曲はどの年代でも知っている人が多いです。カッコよさ+エンタメとしての面白さもあるのでウケは結構良いですよ。
「ミッキーマウス・マーチ」
「彼こそが海賊(パイレーツオブカリビアン)」
「バロック・ホウダウン(エレクトリカルパレードのテーマ)」
などの曲が有名です。一度は誰しも聞いたことがある曲なので、ギター演奏に対するリアクションも良くなることでしょう。
ただ、レベルの高い演奏をするとなるとギター1本で「ベース音・メロディー・コード」を弾く事になるので難易度は結構高めです。
普段からアコギでソロギターをやっている方にはオススメですね。
メロディーだけでも一応様にはなるのですが、少しチープに聞こえてしまいます。なのでそれなら有名曲のリフなどを弾いた方が良いですね。
聞く人の年齢によって知っている曲が違う
「なんか弾いてよ」という要望に対しての応えは、実はその人の年代によっても違います。
聞く人が10代の場合、30代の場合ではウケる曲も変わってくるでしょう。
特に若い層であるほど、最近の流行曲を聴いていて昔の曲を知らない事が多いです。
なので、自分の年齢とよく接する人の年代に合わせて選曲をしてみると良いでしょう。
例えば高校生や大学生なら最近流行の人気バンドやシンガーソングライターの曲がウケるし、アラサーの社会人なら平成にヒットした曲がウケやすいです。50代の方なら例えばBOØWYの曲などがウケるでしょう。
年代別に数曲ずつ覚えておくと、聞かせる相手によって選曲出来るのでオススメです。ただ、割と沢山覚える必要があるので大変ですね。
ギタリストはそもそも「なんか弾いてよ」とあまり言われない?
これは人にもよりますが、ギタリストが「何か弾いてよ」と言われることはそんな頻繁には無いものです。
特に趣味で弾いている方は「そもそも自分がギターを弾いている事を周りの友人や知人が知らない」というパターンも多いです。
そして社会人になれば人に披露する機会はかなり減るでしょう。社会人になると仕事で忙しかったり結婚して会う回数が減ったりして、友人や知人と会う回数がそもそも減りますからね。
とは言え、やはりギタリストなら誰しも「なんか弾いてよ」と言われたときに、サラッとカッコよく演奏して気持ち良くなりたいですよね。
そういう妄想を何回もした方も居ると思います。私もその1人です。
なので、いざという時に披露するための「厳選した1曲」を練習しておくと良いでしょう。カラオケで言う”十八番(おはこ)”みたいなものです。それが1番コスパが良いですね。